明けましておめでとうございます。
大切なご家族と共に素晴らしい新年を迎えられましたこと、心よりお慶び申し上げます。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。
さて、元号が替わり初めて新年を迎えたわけですが、令和になり、我が油圧クレーン業界も、「排ガス4次規制」の世界が徐徐に「その姿」を現し始めたなという感覚を持ちます。新しい秩序がマグマの中からできつつあるという感じです。
公道を走行するラフタークレーン車はメンテナンスフリーではないので使用とともに経年劣化していき「整備・修理」が発生するわけですが、2008年秋から始まった、製造者に対する「排ガス規制」の順次計画実施に際し、わずか8年くらいの間に同一吊上げトン数モデル型式が3度も替わるという、クレーン業界がかつて経験したことがない事態を我々「クレーン業界住民」はなし崩し的に受け入れてきています。
この事態がいかに我々にとって「未曽有の」ことであり、過去の経験則が活きない事態であることを強く意識すべきであると私は考え、ここ数年過ごしてきました。
要するに「何が起こるか判らない」ので⇒「怖い」⇒なので、動きを止めて「様子を伺う」という状況です。
私はこの業界に25年以上住んできた住人です。
だけど、「怖い」です。あまり騒ぐ人も少なく感じましたが、消費税も10%に上がりました。みなさん、怖くないのでしょうか?
「その姿」とは、具体的には、
- 経年使用によるラフタークレーン重大高額整備の増加
- 重要部品の欠品に伴うクレーン稼働率の低下、休車
- 排ガス4次、3.5次規制クレーン設備投資額に見合わない一日の作業料金
- 金融機関のカネ余りを背景とする過剰設備投資の果ての実稼働していないクレーンの増加
- 即時一括償却を利用した納税先送りの結果としてのクレーン会社の決算書上の債務超過進行
- 保有するクレーン車の中古車としての価値の不透明さ、流動性(換金性)の低下
- オペレーター不足を背景とする技術力不足の急増オペレーターによる重大事故発生の危険性増大
- メーカー指定サービス工場の高齢化、老朽化、弱体化が各地方で進む現実
- 働き方改革法が業界にもたらす緊急故障へのサービス対応力の明らかな低下、欠如
- 作業単価に見合わない高額なミニラフターを入替購入できないことによる個人ユーザーの廃業
等々。
かごめ、かごめ。
籠の中の鳥はいついつ出やる?
夜明けの晩に鶴と亀が滑った
後ろの正面だあれ?
「籠の中の鳥」=新しいクレーン業界の秩序
「夜明けの晩に」=令和2年
「鶴」=クレーン車
「亀」=クレーン業界そのもの
「滑った」=ひっくり返った。
そして、「誰?」と言われましても「後ろの正面」って見えませんからね。
新年早々、浮かれてられないです。怖くて。